教科書的なというかモロ教科書な本。
大学の講義で使う事を想定して作られた本なので、一節一節の長さがちょうどよく、長さ的な意味で読みやすい。内容も、基本的には基礎知識の伝達に重きが置かれているため、あまりマニアックな内容に偏することはない。それに、教科書といっても、だらだらと史実を積み重ねるようなタイプの冗長な叙述ではなく、テーマごとに叙述するというタイプなので、読みにくいという事はないし、興味のあるところから読むというスタイルで読み進めることができる。
教科書ではあるが、一応読み物としても合格という感じの本で、すごく面白いという事はないが、だからといって読むのが苦痛というわけではなく、基礎知識を摂取したり事実を確認するうえでは十分役に立つと思う。と言っても、それでもまだ、固有名詞多すぎかな?、と思う部分はある。
これが、古代ギリシャのようなある程度予備知識のある時代だとさして気にならない、しかし、古代エジプトや古代オリエントといった、あまり知識のない時代だと、固有名詞の多さに辟易することがあり、ここはもう少し何とかして欲しかった。

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