カラスっぽいブログ

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タグ:テイルズ



56点 プレイ時間 74時間

民族間の争いと差別を扱っているという重めのテーマとシナリオが特徴でありウリでもある、ということになっている作品。確かに、根暗主人公といい、中盤以降のストーリー展開といい、シリアスさをアピールポイントにしているだけあって、全体的にはやや暗めで「重さ」を感じさせる作品だ。しかしそれも終盤が訪れると、頭の中に疑問符が浮かぶようなストーリー展開になってしまう。種族の違いを「同じヒトだから」と訴えることで乗り越えようとする展開はあまりにも安易で、はっきり言って幼稚だとさえ思う。こういった、善意と根性で悪意を乗りこえようとするというストーリー展開は、種族間の争いや差別を扱った作品にはあまりふさわしくないのではないか。そういった意味ではシリアスの衣を被っただけのなんちゃってシリアス作品だと感じた。安易な展開にするくらいなら、最初からこういうテーマを掲げない方がいい。
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61点 プレイ時間 90時間



・俺のテイルズ体験

テイルズオブシリーズをプレイするのはこれで4作目になる。

初めにプレイしたのはPS版のファンタジア、これはプレイしたのが相当昔なので、記憶が遥か彼方へ飛び去っており、そこそこ面白かったです、という、小並的感想しか言えない。

次にプレイしたのはPS2版のアビス。
これは、とても面白かった。
魅力的なキャラクターに激動の展開を迎えるシナリオ、そしてボリュームもたっぷりで、これぞ大作JRPGという感じがしたものだ、。
この作品に対しては結構満足していて、なかなか良い印象を持っている。
特に、パーティーメンバーのギスギス具合が大変良い感じで、空気の悪さがすごく印象に残っている。
そういったギスギスしたパーティーが、色々な経験をつんでゆくことで、次第次第に固い絆で結ばれてゆくという、一緒に旅をしているんだぜ感に満ち溢れており、そこが良かった。
どうやらテイルズオブシリーズでも評判の良い作品らしく、ファンが多いのも納得の出来。

その次にプレイしたのは、イノセンス(DS)。
これは…、ちょい微妙な出来だった。
シナリオそのものはまあまあ悪くはないものの、ダンジョンのつくりがやたら単調で、思いっきり飽きが来る。
めんどくせぇなあ、と思いながらプレイした記憶がある。
後おっきいのは、好みのキャラがあんまいなかったところかな。
かろうじてアンジュは好みだったんだけれども、他のパーティーメンバーにはひとりとして好みのキャラがおらず、ちょっとつらかった…。
あと、パーティーそのものにもあまり魅力を感じなかった…、まあこれは好みの問題かもしれないけれど。


そんな感じで、このハーツが4作目。
これからこの作品の感想を書こうと思うんだけど、読んでくれる人にはひとつ、注意をしておきたい。
というのは、自分の場合、テイルズオブシリーズのプレイの仕方がかなり特殊だったりするという点だ。
自分は反射神経が鈍く、反射神経をバリバリ使うようなジャンル(格ゲーとかアクションとか)が非常に苦手で、ほとんど楽しめない。というか、楽しいと思ったことがない。
なので、RPGとはいえテイルズオブシリーズのように、戦闘がアクションの作品はあまり楽しめないという事になる。
要するに、あまり向かない人間がプレイしているわけで、そういった部分は差し引いて欲しい。
アビス、イノセンス、ハーツ、の3作品にいたっては、雑魚敵からラスボス戦まですべての戦闘をオートでプレイするという、少しだけ異常なプレイスタイルだったりする。
そういった点を頭に入れておいて欲しい。



・戦闘とかシステム抜きで、シナリオとキャラに特化した感想

テイルズオブシリーズというと、どんなイメージがあるのだろうか。
自分の場合、この作品を含めても、たった4作品しかプレイしていないから語る資格はないかもしれない。
しかし、ネットを覗いて世評を拾ってみると、どうやら、シナリオやキャラの面でややとんがった感じの作風であると、認識されているらしい。
ほとんど必ずといってもいいほど、パーティーメンバーから裏切り者が出る、とか。
人種差別と宗教の問題を扱っている作品があったり、とか。
劇的な形で重要キャラクターが死亡する、とか。

こういった世評がもし正しいものとするならば、この「テイルズ オブ ハーツ」は、めずらしく、テイルズらしくないとがらない作風であるといえる。
確かに、部分的に「とがった」と評すべき部分がないでもない、しかし、それはテイルズオブシリーズのお約束をきちんと表現したら結果的に少しばかり「とがった」という事に過ぎぬのではないか?
この作品は、DSという事もあり、かなり安心できるというか、いい意味で丸い作風で、皮肉ではなく優等生的な作風であり、割と安心して楽しむ事のできる作品だ。


ねむり姫をモチーフとしたシナリオはなかなか良い、特にラストは、収まるべきところに収まったという、妙な安心感があり、満足感とともにエンディングを眺める事ができる。
この、収まるべきところに収まった、という感想は、なかなかに説明しづらいものがあるのだが、説得力があったとか、必然性があったということではなく、見ていて安心できるというか、ほっとする感じとでもいうもので、これは良質な昔話の結末を見たときの感覚に近い。
この感覚は狙ってやったのかどうかはわからないが、ねむり姫をモチーフとした物語には似合いの結末で、これでよかったと思うし、この作品には非常にふさわしいと思う。
衝撃的なラスト、とか、考えさせる結末などという作風には程遠く、童話的で昔話的な結末は、DSというプラットホームにはお似合いだと思う。


キャラクターについて言っておきたいのは、どのキャラが魅力的だとか、このキャラが印象的、とか言う以前に、パーティーメンバー全員がきちんと主人公しているところで、これはなかなかめずらしい作品なのではないかと思う。
6人いるうち、誰が主人公でも違和感がない、それぞれに物語があり、それぞれに成長がある。
誰か1人が中心という事はなく、ひとりひとりが無理なく主人公をやっており、誰かを中心に集まったというよりも、小さい中心が一つ一つつどったという感じだ。
こういった印象を抱かせる作品はなかなかにめずらしく、今までの自分のRPG人生を振り返って見ても、この作品のように、全員がきちんと主人公している作品というのは一つとして思いつかない。
きちんと時間をかけて脳内ハードディスクに検索をかけても、見つかる自信はない、もしかしたら、こういう作品は初めてなのかもしれない。
そういう意味では非常にめずらしく、貴重な作品であると言える。





 vitaのリメイク版は、シナリオは改悪らしい。詳しくは以下を参照。

リメイク版の長所と短所をわかりやすくまとめてある。どちらをプレイするか迷っている人は必見。
テイルズ オブ ハーツ R - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~

 原作からカットされたシーンをまとめてある。大事なシーンばかりで唖然。(ネタバレ多め)
テイルズオブハーツR シナリオ変更点羅列 シナリオカットの嵐で改悪の声も
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