56点 プレイ時間 74時間
民族間の争いと差別を扱っているという重めのテーマとシナリオが特徴でありウリでもある、ということになっている作品。確かに、根暗主人公といい、中盤以降のストーリー展開といい、シリアスさをアピールポイントにしているだけあって、全体的にはやや暗めで「重さ」を感じさせる作品だ。しかしそれも終盤が訪れると、頭の中に疑問符が浮かぶようなストーリー展開になってしまう。種族の違いを「同じヒトだから」と訴えることで乗り越えようとする展開はあまりにも安易で、はっきり言って幼稚だとさえ思う。こういった、善意と根性で悪意を乗りこえようとするというストーリー展開は、種族間の争いや差別を扱った作品にはあまりふさわしくないのではないか。そういった意味ではシリアスの衣を被っただけのなんちゃってシリアス作品だと感じた。安易な展開にするくらいなら、最初からこういうテーマを掲げない方がいい。