とにかく、RPGの経験値がある程度たまっている人間にはビシバシ響く内容で、ほんのちょっとしたこと(フリーレンはたびたびかつての旅を思い出す。そしてそれは、旅の途中での些細なできごとだったりする。)でも、読んでいてぐっときてしまう。今までにプレイしてきたRPGすべての経験が、このマンガに対して強力なバフをかけているような感じだ。エンディングの後も彼らの人生は続く。もちろんそれは知っていたけれど、彼らはいつか死ぬし、いつか忘れ去られてしまうものなのだ。とにかく、RPG好きは絶対に読むべきだし、RPGの経験があればあるほど、心に効く内容なのだ。この作品を読んでいると、今まで一緒に冒険した仲間たちのことを思い出すし、旅の途中でのちょっとしたイベント、それがたとえお風呂覗きみたいなものであっても、かけがえのない美しい経験に思えてくる。それがたとえクソゲーであったとしても、彼らの冒険は唯一無二なのだ。
amazon honto