カラスっぽいブログ

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プレイ時間 80時間



・俺のテイルズ体験

テイルズオブシリーズをプレイするのはこれで4作目になる。

初めにプレイしたのはPS版のファンタジア、これはプレイしたのが相当昔なので、記憶が遥か彼方へ飛び去っており、そこそこ面白かったです、という、小並的感想しか言えない。

次にプレイしたのはPS2版のアビス。
これは、とても面白かった。
魅力的なキャラクターに激動の展開を迎えるシナリオ、そしてボリュームもたっぷりで、これぞ大作JRPGという感じがしたものだ、。
この作品に対しては結構満足していて、なかなか良い印象を持っている。
特に、パーティーメンバーのギスギス具合が大変良い感じで、空気の悪さがすごく印象に残っている。
そういったギスギスしたパーティーが、色々な経験をつんでゆくことで、次第次第に固い絆で結ばれてゆくという、一緒に旅をしているんだぜ感に満ち溢れており、そこが良かった。
どうやらテイルズオブシリーズでも評判の良い作品らしく、ファンが多いのも納得の出来。

その次にプレイしたのは、イノセンス(DS)。
これは…、ちょい微妙な出来だった。
シナリオそのものはまあまあ悪くはないものの、ダンジョンのつくりがやたら単調で、思いっきり飽きが来る。
めんどくせぇなあ、と思いながらプレイした記憶がある。
後おっきいのは、好みのキャラがあんまいなかったところかな。
かろうじてアンジュは好みだったんだけれども、他のパーティーメンバーにはひとりとして好みのキャラがおらず、ちょっとつらかった…。
あと、パーティーそのものにもあまり魅力を感じなかった…、まあこれは好みの問題かもしれないけれど。


そんな感じで、このハーツが4作目。
これからこの作品の感想を書こうと思うんだけど、読んでくれる人にはひとつ、注意をしておきたい。
というのは、自分の場合、テイルズオブシリーズのプレイの仕方がかなり特殊だったりするという点だ。
自分は反射神経が鈍く、反射神経をバリバリ使うようなジャンル(格ゲーとかアクションとか)が非常に苦手で、ほとんど楽しめない。というか、楽しいと思ったことがない。
なので、RPGとはいえテイルズオブシリーズのように、戦闘がアクションの作品はあまり楽しめないという事になる。
要するに、あまり向かない人間がプレイしているわけで、そういった部分は差し引いて欲しい。
アビス、イノセンス、ハーツ、の3作品にいたっては、雑魚敵からラスボス戦まですべての戦闘をオートでプレイするという、少しだけ異常なプレイスタイルだったりする。
そういった点を頭に入れておいて欲しい。



・戦闘とかシステム抜きで、シナリオとキャラに特化した感想

テイルズオブシリーズというと、どんなイメージがあるのだろうか。
自分の場合、この作品を含めても、たった4作品しかプレイしていないから語る資格はないかもしれない。
しかし、ネットを覗いて世評を拾ってみると、どうやら、シナリオやキャラの面でややとんがった感じの作風であると、認識されているらしい。
ほとんど必ずといってもいいほど、パーティーメンバーから裏切り者が出る、とか。
人種差別と宗教の問題を扱っている作品があったり、とか。
劇的な形で重要キャラクターが死亡する、とか。

こういった世評がもし正しいものとするならば、この「テイルズ オブ ハーツ」は、めずらしく、テイルズらしくないとがらない作風であるといえる。
確かに、部分的に「とがった」と評すべき部分がないでもない、しかし、それはテイルズオブシリーズのお約束をきちんと表現したら結果的に少しばかり「とがった」という事に過ぎぬのではないか?
この作品は、DSという事もあり、かなり安心できるというか、いい意味で丸い作風で、皮肉ではなく優等生的な作風であり、割と安心して楽しむ事のできる作品だ。


ねむり姫をモチーフとしたシナリオはなかなか良い、特にラストは、収まるべきところに収まったという、妙な安心感があり、満足感とともにエンディングを眺める事ができる。
この、収まるべきところに収まった、という感想は、なかなかに説明しづらいものがあるのだが、説得力があったとか、必然性があったということではなく、見ていて安心できるというか、ほっとする感じとでもいうもので、これは良質な昔話の結末を見たときの感覚に近い。
この感覚は狙ってやったのかどうかはわからないが、ねむり姫をモチーフとした物語には似合いの結末で、これでよかったと思うし、この作品には非常にふさわしいと思う。
衝撃的なラスト、とか、考えさせる結末などという作風には程遠く、童話的で昔話的な結末は、DSというプラットホームにはお似合いだと思う。


キャラクターについて言っておきたいのは、どのキャラが魅力的だとか、このキャラが印象的、とか言う以前に、パーティーメンバー全員がきちんと主人公しているところで、これはなかなかめずらしい作品なのではないかと思う。
6人いるうち、誰が主人公でも違和感がない、それぞれに物語があり、それぞれに成長がある。
誰か1人が中心という事はなく、ひとりひとりが無理なく主人公をやっており、誰かを中心に集まったというよりも、小さい中心が一つ一つつどったという感じだ。
こういった印象を抱かせる作品はなかなかにめずらしく、今までの自分のRPG人生を振り返って見ても、この作品のように、全員がきちんと主人公している作品というのは一つとして思いつかない。
きちんと時間をかけて脳内ハードディスクに検索をかけても、見つかる自信はない、もしかしたら、こういう作品は初めてなのかもしれない。
そういう意味では非常にめずらしく、貴重な作品であると言える。





 vitaのリメイク版は、シナリオは改悪らしい。詳しくは以下を参照。

リメイク版の長所と短所をわかりやすくまとめてある。どちらをプレイするか迷っている人は必見。
テイルズ オブ ハーツ R - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~

 原作からカットされたシーンをまとめてある。大事なシーンばかりで唖然。(ネタバレ多め)
テイルズオブハーツR シナリオ変更点羅列 シナリオカットの嵐で改悪の声も



レイヤーという言葉で現代という時代を切ってみせた本。

一見すると現代という時代をハイテクという技術面から読み解いた本に見えるが、ぱらっと目次をめくると、実は世界史の本だという事がわかる。
この本で描かれるのは世界史における、システムの変遷だ。

本は全部から三部からなり、順番に中世・近代・未来となっている。
中世と近代は、今までのシステムを振り返る、いわば復習とも呼べる部分であり、第三部の「未来」を理解するための枕のようなものだ。
だから、という事ではないかもしれないが、非常にわかりやすくコンパクトにまとまっており、人類がどんなシステムの中で生きてきたのかという事がすっと頭に入ってくる。
新書という事もあり、書くことを絞っているからだろう、そのやたらわかりやすい記述は大変素晴らしい。

中世と近代とは、言いかえれば、帝国の時代と国民国家の時代である。
帝国とはどんなシステムであったのか、なぜ国民国家は広まったのか、そして、なぜ国民国家は終わろうとしているのか?
人類が今までどんなシステムを生み出し活用し、そして、放擲していったかという、いわば人類のシステム史が描かれている。
国同士の興亡であるとか、どの帝国が覇権を握ったかだのはさらっと軽く触れるのみで、帝国や国民国家というシステムが、なぜ広まったのか?、なぜ滅びたのか、あるいは滅びつつあるのか、という面にだけ的を絞って記述してある。
国同士の興亡ではなく、文明の興亡でもなく、ここで描かれているのはシステムの興亡史だ。
人類が生み出したシステムも、技術の革新や時代の流れによって変遷してゆく。
では、現代が必要としているシステム、いや、現代を覆いつつあるシステムとはどんなモノだろうか。

著者はそれを<場>とレイヤーという言葉で説明する。
目次にはこうある「第三部 未来――<場>の上でレイヤー化していく世界」(p10)と。
<場>とは何か。
本を読めばたちどころに理解できるが、未読の人にそれを一言二言で説明するのは意外に難しい、しかし、現代人なら誰もがピンと来る概念だと思う。
本の中でも例えとして出されているけれど、例えばパソコンの世界では、Windows
が<場>だったりする。
これはどういう事かと言うと、山があったり谷があったりしてでこぼこしている場所を、Windowsというローラーがガッーとやって、整地してくれたという事だ。
そして、ここでWindowsの役目はおしまい。
後はこの平たい土地で、建物を作るなり金絋を掘るなり皆さん自由にしてください、と。
我々Windowsは<場>を管理したりするけれど、それ以上のことはしないよ、と。
これはべつにWindowsだけではなくてたいていの場所がそうなっている、あるいはそうなりつつあるわけだ。

と、こう書けば<場>がどんな概念がわかってもらえると思う。
そして、著者はこう言う、<場>の世界においてはあらゆるものがレイヤー化する。
レイヤーとは要するに「層」のことね、みんな色んな「層」でできているというわけだ。
一人の人間も、色んな「層」でできている。
国籍とか職業とか趣味とか、いろんな自分の「側面」があるわけだ。
そしてそのいろいろな側面も、人によってウェイトをおいているのが違ったりする。
国籍に重点を置く愛国者もいれば、趣味にウェイトを置くオタクもいたり…、ね。
人間だけじゃなく、色々なコンテンツもそう。


引用
P207
インターネットというインフラのレイヤー。
楽曲や番組、本などが販売されるストアのレイヤー。
どんな音楽や番組が面白いのかという情報が流れる、メディアのレイヤー。
購入した楽曲や番組を、テレビや音楽プレーヤーやスマートフォンやパソコンで楽しむという機器のレイヤー。
そして楽曲や番組そのものというコンテンツのレイヤー。


と、まあこんなふうに、スライスしてみると色々な「層」がでてくるわけだ、そして、このレイヤーの世界には境界は存在しない。
横にガッーと広がっているわけだ、そのかわり、多層的になっている、と。
これも、現代に生きている人間ならば、わりかしイメージしやすいよねってことだ。
わざわざ説明するまでもないというか、まわり見渡してもこんな感じだよね、と。


大体まあこんな感じで、人類の歴史をシステムの変遷にだけ絞って書かれた、大変スマートな新書だ。
とにかくわかりやすく、テーマを絞ってあるだけに無駄な記述がなくて、すいすい読み勧めることができるという、非常に新書らしい新書。



なかなかに説得力のある批判
レイヤー化する世界





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マキャベリと言うと権謀術数みたいなイメージがあって、目的のためには手段を選ばぬ的な、暗いイメージが付きまとう。
要するにオーベルシュタインのようなタイプのキャラクターが、いわゆるマキャベリストなどと呼ばれるもので、それに付きまとうイメージは、物事の裏面を担当する、手を汚す事をためらわないという感じのイメージだ。
つまりは、マキャベリは一つの思想として受け入れられている、政治をおこなううえでは、あらゆる権謀術策を尽くせという教えとして。
世の中はこうなっているもの、と説明するのが科学で、
人はこうすべきと教えるのが思想ならば、
大部分の人間は、マキャベリは思想家であると答えるだろう。
それも、みもふたもなく実用一点張りのあぶない思想家として。

しかし、この書物を読むと、マキャベリに対するそういったイメージは一転する。
マキャベリは、確かに思想家かもしれないが、それ以前に科学者なのだ。
人間や政治という、実験室で検証することはできない題材を扱っているが、彼の視線は確かに科学者のそれ。
人間とはこういうもの、政治とはこういうもの、例えば、水が百度になると蒸発するという真理を語るのと同じ口調で、彼は政治と人間の真理について語る。
それは、こうあるべきとか、こうするべきといった、思想や理想を語る口調とは程遠い、かといって諦念とも違う。
彼はただたんに、目の前の事実を平坦な口調に述べたに過ぎない、それに対して反発を覚えるならば、万有引力の法則や、質量保存の法則に対しても反発を覚えるべきだろう。
彼はただたんに目の前の現実を切り取り、こういった場合は人間はこう動く、あの場合はこう、と観察し分析し記述したに過ぎない。
彼が、こうすべきと言うとき、それは人はこう生きるべきという理想を語ったわけではなくて、国を上手く収めるためにはこうすべき、という意味なのだ。

従って、彼の言葉には理想はない、そこに不満を覚える人間もいるかもしれないが、そもそもにおいてマキャベリに理想や思想を求めるのが間違いなのだ。
ここにあるのはただ事実、そして、ただの法則。



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なかなか面白い作品だった。
作者の飛鳥部勝則は、自作の絵画を作中において登場させ、それに重要な役割を担わせるという特異な作風の作家らしい。
この人の作品はこれ以外だと、デビュー作の殉教カテリナ車輪くらいしか読んでいないけれど、いずれも面白かった。
さすがは自分で絵を書くだけはあり、絵画に対する薀蓄が多く、それが作中で起こる殺人事件と自然な形で結び付けられているので、読んでいて結構楽しい。
絵画ミステリとでもいうべき独特の作風で、『絵』の意味を読み解きつつ真犯人に迫るという作風は今回も健在だ。

孤島で起きる連続殺人、そして、死体の傍には必ずバベルの塔の絵が…、という感じでいかにも本格ミステリという感じだが、自分の場合、この作品の持つミステリ面よりも人物の魅力に心惹かれるものがあり、謎めいた神秘系ヒロインの志乃ちゃんが心に残った。
冒頭からいきなり登場する彼女だけが、言動がやや電波系で奇妙な印象を読者にもたらす。
この、彼女のもたらす奇妙な印象、その神秘性は、全編を貫通するものであり、彼女自身が1つの謎である。
物語は、連続殺人の謎を解きつつも、平行して彼女の謎も徐々に明かされるという構造になっており、この二つの謎が読者を牽引する。
そして、物語の最期にいたって彼女の言動の謎が明かされるわけだが、それはあまりにもストレートすぎてまったく考え付かないような意外なものだった。
ひねりがまったく無いだけに思いつかないという感じで、お見事。
連続殺人の謎よりも印象に残ってしまった。

とまあそんな感じでミステリとして面白いというのもあるがそれ以上にヒロインの魅力が心に残り、自分にとっては萌える作品だった。
どうやらこの作者は、こういった神秘系ヒロインを書くのが得意らしく(ニコニコ大百科による)、他の作品を読むのが楽しみになった。
とりあえず、神秘系ヒロインと出会いたいって人は読んで損は無いんじゃないかな。



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