青春百合映画として良い感じ。
原作を読んだのは結構昔なのであんま覚えてないけれど、原作のSFやホラーな部分をスパッと切って、青春百合映画として完成させたって感じがする。ラストのラスボスの動機関連なんかも原作とはかなり変えてあるような気もするけれど、映画という短い尺でお話を作ることを考えればこれはこれで正解なんじゃなかろうか。
原作に思い入れのある人にとっては、あれも足りないこれも足りないとなって、不満もあるだろうが、一本の青春百合映画としてみれば十分合格ラインに達していると思うので、自分的にはわりと満足したし、見て良かったと思った。
三回ほど、音楽(うち二回は歌)をじっくり流すシーンがあったのも、真下信者的には好感触。すごくセンスがいいってほどでもないけれど、まあまあハマっていたので、良い。特に中盤の、二人がひたすら歩くシーンで、ハーモニカらしき音楽がかかっていたのは、とても印象に残った。作中で、一番好きなシーンかもしれない。
すごく印象に残るとか、テーマが深いとか、そういうことはないが、一人のコミュ障少女が百合を通して成長する、青春百合SF映画としてなかなか良かった。マンガ版とは違い、ちょっと切ない終わり方も自分好みで、派手さはないがキラリと光る佳品って感じ。